121.「声と話し方のトレーニング (平凡社新書)」を読んで [読書感想文]
(年間100冊の進捗 100冊/365日×87日目(3月28日)ー21冊目=▲2.835冊)#mhks(本)
・「案外『いい声』の人って少ない!」ということがわかりました。それと同時に、「みんな、『いい声』を出したくても、そのやり方を知らない」ということに気がついたのです。(P10)
☆こちらの本は以前「新刊ラジオ」で紹介されていたのを聞いて、読んでみたかった本。
言語聴覚士である、著者ご本人が内容について語られており、ブックナビゲーターの矢島さんも実践して、「こんなに変わるの!」と絶賛しておりました。
「話し方」のテクニックの本はあっても「声」のテクニックは知りませんでした。
・声を出すには、肺を動かすための背中から胸にかけての筋肉が重要になってきます。
・まずは、姿勢を作るための体幹部、そして腹筋や大腿部の内側にある筋肉(インナーマッスル)を鍛えることが大切です。(P26−27)
☆人に伝わる大きな声の為には、なんと「筋トレ」から。足腰を鍛えることが「いい声」への第1歩。
○安定した、通る声になるには
・聞き取りやすい声、というのは、ただ大きな声を出せばいいのではなく、むしろ一定の呼気を吐き続けられるほうが大切な要素なのです。(P38)
・声を出すことは、「的に向かってボールを投げる」ことにによく似ています。(中略)適切な大きさで声を放ってあげれば、ボールと同じように声はきちんと届いてくれるものです。(P48−49)
☆目の前の人にだけ向かってしゃべると、後ろの人は聞こえない。日常会話では気にしなくても、大勢の前でしゃべるには必要な技術ですね。
○発音も、まずは聞くことが大事
・人間というのは不思議なもので、同じ音だと認識している限りは、音を出し分けることができないのです。そのため、音の聞き取り能力をあげることが最初の課題になります。(P95)
☆語学と同じで、自分が聞き取れない音は、発音出来ない!
○話の内容自体では
・人が聞いて頭にすっと入る言葉や意味の塊(チャンク)の数は「7+−2つ」くらいといわれています。(これをマジカルナンバーといいます)。この限界を超える長い文章、意味を取ってもらえない可能性があります。(P137)
・「文章は短め」にして「主語と述語をはっきりさせる」ことが大切になってきます。(P140)
☆話すときも、句読点を意識して、リズミカルにしゃべる。
○人類の進化で、「話せるようになった」が、生物学的には不利に・・・
・言葉を話せるメリットを得た代償として、人間の呼吸器は、食べ物を飲み込む嚥下の際に、食べ物が気管に入りやすい、窒息しやすい構造になってしまいました。(P158)
・成人は食べ物を飲み込む(嚥下する)瞬間は、息を止めていないと食べ物を食道に送り込むことができません。
(P159)
・むせるのは、気管に入りそうになった食物や唾液などを、咳をすることでそれ以上奥へ入らないようにする防御反応です。(P160)
☆間違って肺に、水が流れたときなど本当に苦しいです。これが人間だけの現象だとは知りませんでした。
一種の「トリビア」ですね。
○実は「ささやき声」って
・声の出し方で誤解が多いのが「ささやき声」です。ささやき声は、声帯の振動がない状態で声を出し続けるため、声帯への負担がふつうの声よりも大きいのです。(P193)
☆のどが痛いからと「ささやき声」で話すのは、余計に負担がかかる。風邪引きの時は気をつけよう。
自分の感想:オバマさんみたいに、人前で堂々と話できるようになりたいな〜と思い読んでみましたが、想像以上に、「のど」や「話し方」には多くの要素が絡んでいて、驚きました。
また声のタイプもたくさんあり、自分がどれなのかもわからない。
実行すること:意識して声を遠くに向かって投げてみる
この本の内容こそ、セミナーや勉強会で実際に声に出してトレーニングしないと分からないですね〜
と思い、探して見たのですが↓
東京では・・・、価格も・・・。ある意味、本当のプロ向け講座なのかもしれませんね。
しかし、巻末には色々な声に関する症状とその対処法などが書かれており、参考になります。
エクササイズもイラスト入りでわかりやすく、さしずめ「声」の「Tarzan」といったところでしょうか?
この本は、声や話し方で、「あれっ?」と思った時に、辞書的な使い方が向くようですね。
ありがとうございます!
また、新刊が出るようです。別のテーマで書かれるようです。詳しくはこちら。
著者のブログ↓
大根役者でして 体中から自信のないオーラが・・・(笑)
by エコピーマン (2010-03-29 00:01)