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319-2.【読書感想文】一流のおもてなしは、究極のチームプレイで生まれる〜「「一見さんお断り」の勝ち残り経営 ~京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ~」#感想部 #rvpl [読書感想文]

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(年間30冊の進捗 30冊/365日×107日目(4月17日)ー2冊目=▲6.79冊)#mhks(本)

「一見さんお断り」の勝ち残り経営 ~京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ~

「一見さんお断り」の勝ち残り経営 ~京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ~

  • 作者: 髙橋秀彰
  • 出版社/メーカー: ぱる出版
  • 発売日: 2017/04/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

・なぜこの「一見さんお断り」「お茶屋は街に一つ」というルールが確立され維持されているか。諸説ありますが、突き詰めて考えると顧客満足のために必要であったということに行き当たります。

 お茶屋の本業は、「芸妓、舞妓、座敷、料理等によって個々の宴会を成功(宴会の目的を達成)させること」です。(p2-3)

・ところが一見の顧客だと、顧客にあわせた宴会を準備するための前提となる顧客の嗜好その他の情報がないため、個別の顧客に合わせた用意も咄嗟の現場対応もできず、宴会の成功という目的を達成できないのです。(P3)

・表面的には排他的なルールに見える一見さんお断りですが、よく考えてみると、顧客満足を徹底的に追求した結果当然に行き着く合理的なルールであることが分かります。(p4)

 

☆「一見さんお断り」・・商売している方からすれば、これほど「ありがたい」形態はないでしょうね。確実に「いいお客様」がついていて、支払いもちゃんとしてくれて、店では粗相をしない。でも、ここに至るまでの店の努力は計り知れませんし、これからも維持するのはもっと大変。人の生活は変わり続けているから、いきなり昔の世界で働けと言われても、ついて行けない人のほうが多いはずだから・・・。

 

 そんな、350年にわたりこの商売を続けてきた「お茶屋さん」の考えを学ぶために読んでみました。

 

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・なぜ京都花街の芸舞妓は、毎日毎日、手間暇のかかる白粉の化粧と、男衆の手による着付けを必要とする裾引きの着物を着用するのか。


 なぜ舞妓の日本髪はカツラではなくわざわざ髪結いという専門職に地毛を結ってもらうのか。


 なぜ舞妓になるための修行である仕込みと呼ばれる期間は原則として中学卒業前後に開始し、住込みでないといけないのか。


 そこには価格競争も含めた安易で手っ取り早い方向にも、規模の拡大にも決して向かわない、徹底的なおもてなしの品質追求の思想があるのだと感じます。


 その結果、京都花街のお茶屋は三五〇年間もの長きにわたって存続し、そのおもてなしは知名度、品質ともに日本を代表する文化にまでなったのだと考えられます。(p82)


☆お茶屋という商売を通して、町並み、人材、料理、作法、芸事・・すべてが、「ああ、昔の日本ってこんな感じだったのか・・」と感じさせる。文化をそのままの姿で残したまま、なおかつ現代に合わせて商売を続けている「お茶屋さん」。


 国が文化財を保護するとかではなく、その土地に生まれ育った文化を、その土地を愛する人たちが守っていくという心意気。


究極のローカルだからこそ、世界からの人々も魅了するのでしょうね。

 


●一般的なブランド戦略との違い


・簡単にコピーできる程度の品質なのに高価格を維持するためには、イメージを守るという部分にコストをかけざるをえません。もちろん京都花街のお茶屋もイメージを守る努力はしていますが、お茶屋の場合はそのためだけの無用なコストはかけず、本質的な品質を磨くことに力を注いでいます。(p89)


☆宣伝のためにお金は使わず、圧倒的な水準の品質を保つために、コストをかける。インターネット時代の、「フリーミアム」の戦略とは全く反対方向の存在ですね。限られた顧客に、圧倒的な高品質をそれに見合う価格で提供する。全世界を相手に、安い価格で圧倒的な数を販売する。「フリーミアム」は今の時代だからこそできる商売ですが、だからこそ人々は「特別」を求めてお茶に来るのでしょうね。

 


●顧客の責任


・自らがリピート客になってお茶屋に出入りしている以上、お茶屋や日本文化の維持存続や発展に寄与するような新規顧客を選抜して紹介しなければならない責任のようなものを感じます。


 顧客は対価を支払って一方的に役務提供を受けるだけでなく、提供する側にも配慮してそれを支え、発展に寄与するという考え方は単なる合理的な商取引という概念を超えたものであり、歌舞伎や講談等で昔の日本の美談としてよく見聞きしますが、京都花街では今でもその考え方が生きています。(p180)


☆お茶屋さんだけが努力しているのではなく、お客の側も礼儀作法を学び、芸事に精通し、一緒に日本文化を維持していく。


 お互いが、同じ方向を向いて、350年共に歩んできたからこそ、世界に認められる伝統文化をなった。


 確かに「一見さん」には、そこまでの覚悟はないから、「お断り」はお茶屋さんにとって当然のことなんですね。


 お茶屋さんに行くには、顧客もそれなりの「覚悟」が必要。好奇心だけでは行けない世界ですね。



☆読み終えて:読んでいて驚いたのは、楽譜以外の「マニュアル」のようなものが全くないということ。礼儀作法やお座敷での心得なども全て、口伝だということ。ここでも完全に昔の世界がそのままです。

 

でも、それも「顧客満足」のため。


お茶屋のお客様は少ないからこそ、全て満足するポイントが違う、宴会は完全にオーダーメイド。だからマニュアルなんて作れない。お茶屋に関わる人たちが、お客も含めて、サッカーのチームプレイのように全員がアイコンタクトでプレイするようなものですね。徹底的に体に覚え込ませる。だからこそできる「お座敷」という究極芸術なんですね。


それが、もう文化にまで昇華してしまったからこそ、350年もの間続いている。


すべては、来てもらったお客に「満足」してもらうこと。



 我々が「まね」できるはずもないが、こんな「商い」があるということだけでも知れて良かったです。



・「カネのためやない、けど、カネは要る」(p233)


☆続けるには、「儲けな」あかん。でも「儲け」ばかり考えていては「続かない」・・・深いな。


 まあ、日本人である限りは一回は行ってみたいとこではありますね。それまでに自分が勉強しないと!


 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

こちらは「レビュープラス」さんからご恵投頂きました。いつもありがとうございます。  

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  • 作者: 髙橋秀彰
  • 出版社/メーカー: ぱる出版
  • 発売日: 2017/04/03
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