16.「伝わる・揺さぶる!文章を書く」を読んで [読書感想文]
- 作者: 山田 ズーニー
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2001/11
- メディア: 新書
勝間和代さんの「読書進化論」からおすすめです。
このブログ、文章はどういう風に書けば自分の思いが伝わるのか?
どうやって書くか=どうやって話すか
どうやって読んでもらうか=どうやって聞いてもらうか
会話というコミニュケーションでは、相手の話を聞いてあげることが大事ですが、「書く」ことは、
聴衆を前にしないラジオのDJのおしゃべりようなものなのでしょうか。
●自分以上にいいものを書く必要はない。しかし、自分以下になってはいけない。だからこそ、書くために必要なのは「考える」ことだ。(p23)
☆思いつくままに書くことは、何も考えずに話すのと同じで、相手に言いたいことは伝わらない。飾り立てる必要はないが、「何を」伝えたいのかを「考える」こと、当たり前のことですが意識しておりませんでした。
●文章の7つの要件
1.意見 2.望む結果 3.論点 4.読み手 5.自分の立場 6.論拠 7.根本思想(p33からp35)
1.自分の「意見」を発見する方法とは
●(意見を出すための)「考える道具」は「?」の形をしている。そう「問い」だ。(p45)
「問い」を立てるには?
●時間軸へと視野を広げる
●空間軸へと視野を広げる(p53)
2.「望む結果」とは
●読み手にどう言ってもらいたいのか、その言葉で結果をイメージするのだ(p60)
3.「論点」とは?
●論点と意見は呼応するー原則1・・・意見の裏にはそれを導き出した「問い」、つまり「論点」がある(p70)
●論点は「問い」の形にするー原則2
●論点は文書を貫く問題意識だ。
●文書の書き出しに悩むときは、論点(問い)を書けばいい。(中略)文書のラストに悩むときは、論点に対する(意見)「答え」で締めればいい。(p73)
☆目からうろこでした。なんとシンプルでわかりやすい!「『論点』を疑問文にする」ーいただきます。
4、5「関係性」 「読み手」と「自分の立場」の発見
●自分の立場を照らしたかったら、外を見ることだ。書くためには、よく見なければいけない、自尊心がバラバラと崩れるまでに、痛いまでに。自分の都合とはまったく関係なく生き、動いている他社を、社会を、よく見ることだ。(p91)
☆自己啓発書の、自分を客観的に見ることをこんなに痛々しく、しかし的確に表現できることに驚きです。
6.論拠
●相手とあなたの真ん中に論拠がある。(p92)
●1,自分側の理由 2.相手側のメリットとは? 3.相手の反対理由を正確に押さえる 4.その反対理由の説得材料を、自分の足で調べる 5.相手に分かるよう筋道立てて論拠を提示する(p95
☆こんなに鮮やかに、数学の公式のごとく鮮やかに文書の構造を示されると・・・心理ですね。
論拠の配列順は
●優先順位の低いもの→高いものへ
●具体的な根拠→抽象度の高いものへ
●時間的配列(問題の背景→現在→将来)
●ミクロからマクロへ(個人の実感→社会問題→社会構造へ)
●賛否(賛成、反対の代表的意見の提示→両者の共通・差異点、→そこから見える問題点)(p103)
7.根本思想!
●意見は、ちょうど氷山の見えるところのようなもので水面下には、その何倍もの大きな、その人の生き方・価値観が、横たわっている。それが「根本思想」だ(p104)
●文章を要約すれば、自他の根本思想がわかるのだ。(P107)
●煮詰まったときは、まわりの人とひと言要約を実践してみよう。(p109)
☆また1枚うろこが落ちました・・・。
この本は、書くという行為がどれだけエネルギーを使い、技術が必要なのかが痛いほど身にしみる、しかし心地よい驚きを体験した本です。
久しぶりに夢中になって読み、何回も読み返したくなる本です。
ありがとうございます。
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