75.「筆談ホステス」を読んで [読書感想文]
- 作者: 斉藤里恵
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
・私の働く銀座は、日本で一番の夜の街。女の花道とも言われる華やかなステージですが、その競争は過酷です。(p6)
・私がほかの女のコと違うのは、耳がまったく聴こえない聴覚障害者だということでしょう。
障害を持つ私が、お客様とコミュニケーションを取る手段は筆談です。(p7)
☆サービス関係の仕事をしている自分にとって、大阪で北新地には一回しか行ったことはないですが、一流のホステスさんのサービスはやはり凄かった記憶があります。
ましてや銀座!どういうふうに接客しているのか、興味を持って読んで見ました。
・褒め言葉を書くときには、必ず『あなた自身を褒めている』というのを明確にしなければなりません。
「すてきな時計をしているのね」
これでは、時計を褒めていることにしかなりません。
「あなたって、ファッションのセンスが抜群ね」が正解。
「このワイン、おいしいわ!」
おいしいワインをご馳走になっても。これではNG。
「こんなおいしいワインを知っているあなたって、本当に博識ね」
私はそんなふうに、すべて目の前にいるお客様自身に向けてメッセージを書きます。
あくまでもご本人に良い気分になってもらうのが一流のホステスです。(p148−149)
☆具体的に、しかし物ではなく「本人自身」を褒める!自分がその立場になった時、確かに「自分という人間」を褒めてもらいたいですからね。
・疲れて暗い表情をしている方には、具体的なことを伺ってはいけません。
「渋い顔もすてきですね!」
少し遠まわしに投げかけてみますが、積極的に話題には触れるようなことはしません。(p160-161)
・約束をして、相手の方が遅刻してしまった場合、
「まだ?」
「遅い!」
こんなメールを送っては、台無しです。
「早くあなたに会いたかった!」
到着した瞬間こう書くと、遅れた男性も、申し訳なさと感激が相まってグッとくるのです(p161)
☆さすが細やかな心配りです。
・(出世を先に越された方の奥さんにと・・)「少し止まると書いて『歩』く。着実に前に進んでいます」(p203)
・(「辛」という文字に横線を一本書き足して「幸」として)「辛いのは幸せになる途中ですよ」(p216)
☆「筆談」ならではの接客ですね。会話だけではなかなか伝わらないですが「手書きの文字」にすることで、励ましの気持ちが伝わり前向きになることが出来ます。
・最近になって私にも、あるひとつの道がだんだん明確に見えてきました。新しい夢が生まれたのです。
「いつかスワンベーカリーのように、障害者と健常者が一緒に働ける職場を私も作りたい」(p225)
・まず、最初の目標にしているのが28歳までにハワイで語学とエステティックを学ぶことです。(p231)
・(最初、本を出版することに難色を示していた理由に)「私の今まで生きてきた人生なんて、ごくごく平凡だし、たいして面白い話もないから書くことがない・・・」
それが一般人として普通の気持ちでした。(p234)
☆自分なりの答え:本書の前半を著者の生い立ちが綴られており、とても「ごくごく平凡」な人生ではありません、その瞬間、瞬間を一生懸命に生きてきたからこそ、「今の」自分にとっては「平凡」なのでしょう。
・「障害を売り物にしたくない。」(P12)
逆に我々は自分に色々と言い訳してしまいます・・・。著者の芯の強さに対して恥ずかしい・・・。
この若さで、自分の大きな『夢』を持っておられることも非常にうらやましいです。
メールの時代ですが「文字」の持つ「気持ち」の部分の「ちから」を改めて再認識いたしました。
お礼は「ありがとうございます!」と文字で書くようにします。
- 作者: 斉藤里恵
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/05/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
筆談ホステス 67の愛言葉 (青森一の不良娘が銀座の夜にはぐくんだ魔法の話術)
- 作者: 斉藤里恵
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/09/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
大変にいいヒントをいただきました♪
「ほめる」ということは、ひとの能力の1つであることを
教えてくれますね。
人のいいところは、意識していないとなかなかみえて
きません。そして、これができるようになれば、自分の
範囲はぐっと広がってきます(^o^)/
by ムネタロウ (2009-09-29 01:54)
褒めることの意義を教えていただいたように思います。
by ku−san (2009-09-29 09:48)