119.「かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール」を読んで [読書感想文]
かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール
- 作者: 川田 修
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 単行本
・冒頭から恐縮ですが、正直に告白しますと、本は年間3冊ぐらいしか読みません。
☆外資系のバリバリのセールスマンと聞くと、スマートフォンを片手に、英字新聞を読んで自己啓発のために月に何十冊の本を読む・・。
そんなイメージでしたが、著者の川田さんはごくごく普通のお父さん(失礼!)新聞読むのはテレビ欄、テレビ見るのはみのもんた・・
しかし、表紙の写真の「ふんわり」とした笑顔から誠実さが「じんわり」と伝わってきます。
○まずは、タイトルの由来から
・(前略)営業かばんの底は、あなたの靴底と同じなのです。
あちこち”歩き回った”かばんを、お客様の家の中に持って入るというのは、靴を脱がずに土足で家の中に入っていくのと同じだと思いませんか?(P15)
☆視点が違います。だからこそ白いハンカチが必要なんですね。しかも「白」。
○「私たちは、『お客様』ではない」という視点で
・私の場合は、お客様の靴べらは使いません。
・お客様の家のものを使うのは、その家に来た「お客様」がすること。
私は訪問者ではあっても「お客様」ではありません。(P19)
○服装は、紺かグレーのスーツ、ワイシャツは白、靴は黒の理由
・人の命に関わる金融商品を扱う人間が、服装で自己主張する必要があるのか
・仕事上の服装は自分が主ではなく、あくまでお客様を主に考えるべきではないか。その服装自体が、お客様を尊重していることの表れじゃないか。(P38)
○腕時計も、銀のロレックスの営業マンの場合と比較して
・「(前略)・・あなただったら、これから毎月、長くお金を預ける商品を買うとしたらどちらの営業から買いますか?」と言われてな。
そこまで考えないといけないんだ!と思って衝撃を受けたよ。すぐに黒革のベルトで銀縁に白フェイスの時計を買いに行ったけどね。(P44)
○応接室で待つときも
・今ではたとえ10分待たされても30分待たされても、引いた椅子の前に立ち、決して座ったりせずにお客様を待つようにしています。(P57)
・お客様に対して、「この人なんか違う」と何かしらの興味や感動を与えるしかない。そう考えた私は、まず「普通の営業だったらどうするだろう?」と、常に自問自答することにしました。(P26)
☆すべてが「お客様目線」。「普通」と違うことが、実は「普通」のことだった!というパラドックスな答え。
○名刺の古典的なテクニックですが、裏面にプロフィールを貼って
・「私の簡単なプロフィールは名刺の裏に書いてあります」と一言つけ加えると、100パーセントの人が見てくれます。
そして、不思議ですが、これを見ると、ほとんどの人が「自分との共通点」を探そうとします。(P64)
☆ここから会話の糸口を掴んでいく。これもありがちですが、川田さんはより具体的な内容を書いているとのこと。好きなもの「麺類」ではなく「ラーメン」と書くなどです。
ある意味これもお客様目線。警戒している相手に、自分がどんな人間なのかを瞬時に知ってもらう為の「気遣い」なのでは?
○お客差の記憶に残る営業のレベルとは
・「普通の営業」との小さな違い、たった「1」の差を積み上げて、いつもレベル「11」以上の営業でありたい。そう思って、普通のことを「とことん」極めようと考えているのです。
・基準ラインをレベル「10」としたとき、レベル「20」が必要かというとそうでもありません。
レベル「11」あれば十分なのです。(P68)
☆「1」の小さなことを継続する事が、大きな結果につながる。実践している人は言葉の重みが違います。でも私が見たら多分「11」どころか「17,18」のレベルまでやっておられるのでしょうね。
・「楽か 楽しいか」
楽(ラク)とは、つらいことから逃げて得られるもの。
一方の、楽しいとは、つらいことを乗り越えてこそ、得られるもの。(P120-121)
☆自分の弱さを認めつつ、それを克服して前に進むために、こんな言葉を机に掲げておられるそうです。
○本に対する考え方として
・本というものは、ただ読むためのものではなく、人に贈ったりすることで、自分という人間を相手に理解してもらえたり、相手をより深く理解したりするものなのかもしれません。(P191)
☆年間3冊しか読まないからこそ、読んだときは、その気持ちを人に伝えたい。こんな目線で本を読む。色んな考え方があって良いんですね。
○「営業」という職業について
・営業という仕事は、「物事を相手の目線で考える」究極の仕事なのです。
また、人を相手にする、まさに人間にしかできない仕事です。
そこに人がいて、サービスが発生すれば、何にでも生かせる仕事です。
・そういう意味で、営業は究極の「手に職」なのです。(P209)
☆ITが進めば進むほど、人と人との会話が大事になる。五感全体で相対するお客様にはごまかしは通じない。
自分なりの気づき:あっという間に読んでしまい、しばらくは「じーん」と感情に浸っておりました。
次に思ったのは「この人に会ってみたい!」。
どんな話し方で、どんな立ち居振る舞いをするのか?
すべての視点が「お客様視点」。そして「自分の仕事」に自信と誇りを持って、謙虚に誠実に立ち向かって行く姿。
「こんな上司(先輩)がいたら・・」と思える方ではないでしょうか?
これから入社される、新人のビジネスパーソンではなく、仕事に慣れて少し気持ちがゆるみがちな中堅クラスに是非読んでもらいたい本です。
実行すること:あまりにも、出来ていないことが多すぎるのですが。まずは、深いお辞儀を心がける。
最後の一言は、さすが!
・いちばん大切なことは、本の中ではなくお客様と皆さんの間にあるということを忘れないでください。(P211)
ありがとうございます!
かばんはハンカチの上に置きなさい―トップ営業がやっている小さなルール
- 作者: 川田 修
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 単行本
少し落ち着いたので本を読もう(と言ってもミステリー^^;)と。
でも、就寝前なので15分もすると夢の中・・・
ページがちっとも進みませんw
by すずらん♪ (2010-03-25 13:57)
nice!
http://kitanohotaru.blog.so-net.ne.jp/
by 北のほたる (2010-03-26 00:07)
私も読みました。
いい本でしたね。
by 本のソムリエ (2010-04-09 06:59)