3.「99.9%は仮説」を読んで [読書感想文]
「食い逃げされてもバイトは雇うな」で「数字」の持つ意味というところで紹介されていたので読みました。
正直100冊読むのに、このくらいの量で無いと追いつかないということもわかってきたので・・・。
●「プロローグ 飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」(p13)
☆プロローグのこの衝撃的なことばから始まる本書では、
「『きちんと実験され証明されて、何もかもが理路整然と理屈で説明できると思っていた※』「科学」が実は「仮説」に過ぎないということを述べられており、実は理系も文系と同様
あいまいなものなのだと思いました。
●「演繹とはトップダウン式の考え方であり、帰納とはボトムアップ式の考えのことなのです」(p69)
●「科学の発想法も社会の仕組みとパターンは同じだということです」(p70)
☆結局は科学も元は哲学から発生しているので人間社会という枠組みからは離れることはできないのですね
ましてや企業活動を行う会社では、「科学的」に商売をしなければとトップが唱えても・・・。
●「人は、自分の都合のいいように解釈する」(p74)
☆上記のように、事実が自分の都合のいいように曲げられてしまうのが現実なのでは、
お客様は特にそうです。自分が得になることの方にしか考えない、だから文句も言うし、だまされたりするのでしょうね。
それで
●「古い仮説を倒すことができるのは、その古い仮説の存在に気づいていて、そのうえで新しい仮説を考えることができる人だけなのです。」(p93)
☆「仮説」を「売り方」「商売」と読み替えると、いつまでも前年実績にしがみつき、古い成功体験にすがりつく上司ではなく、
●「いうなれば、演繹法はこの条件を満たした人しか使ってはいけない方法なのです。」
☆強烈なトップダウン型の上司で行こうとする人は上の条件を満たさなければならないのでしょうね。
科学であっても
●「時代と場所によって『正しいこと』は変わるのです」
☆ましてや100年に1度の危機のこの時代、商売も、人も変わらなければ。
また「相対性理論」という高校の授業のイメージではものすごく難しかったことも
●「どっちが正しいかではなく、両方とも正しいというのが、相対性理論の根っこの考えなんです」(p188)
●「相対性理論でいちばん大事なのは、視点の設定なんです。」(p191)
●「もっとわかりやすい例で説明しましょう。(中略)人間の数だけ味覚があるのと同じで、人間の数だけ時間があるんです」
☆よく自己啓発本で言われるように「正しい」や「幸せ」はすべてものの見方、すなわち「視点の設定」であり、人の数だけ「正しさ」や「幸せ」があるということを「相対性理論」で説明できるのですね。
これを「相対性理論=ラーメン味覚説」とすれば覚えやすいのではないでしょうか?
そして最終
●「だから、科学哲学的に考えてみても、『話が通じない』というのは当然起こりうるあたりまえのことなんですね。」(p225)
●「話が通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないということです。また、相手の仮説を自分が理解していないということでもあるのです。」(p226)
☆「仮説」=「自分の持つ考え方、背景」と置き換えれば、なぜこの人とは「話が合わないのか?」というコミニュケーション論へと発展していき
●「科学的な態度というのは、『権威』を鵜呑みにすることではなく、さまざまな意見を相対的に比べて判断する“頭の柔らかさ”なのです。
☆社会生活の中で(最初のいままでとは違った印象の※)「科学的な態度」をとることで、イメージ的にはもっとも「人間らしい」態度をとることができるということをいいたかったのではと私は読みました。
著者が最後にも書かれておられますが、
●「1度捨てることにより、頭と心を身軽にして、スイッチを切り替えて、・・・」(p254)
実は、「思い切って、別の視点で物事を考える」という『発想法』を科学という例を出しながら説明していくという
「ハック本」だったのですね。
自分にとっては「相対性理論」を自分なりに理解できたことが収穫の本でした。
著者の公式HPは↓
http://www.kaoru.to/
この本を読もうと思ったきっかけとなった本
タグ:コミニケーション論
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