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13.「接待は3分」を読んで [読書感想文]

接待は3分 (PHP新書)

接待は3分 (PHP新書)

  • 作者: 野地 秩嘉
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: 新書





野地秩善さんは、今までの著書でも飲食業やサービス業を多く取り上げられておられ、取材を通して独自の視点で「サービス」を語られており、読みやすくハッとさせられるところも多いので、新聞広告を見て、すぐに買いました。
目的:副題の「仕事ができる人のもてなし術」にもあるように、「おもてなし」のヒントを得ること。

と言う本ではありません。

「接待」とは「仕事中に見せられない自分の素顔をさらけ出すこと」で
●三分程度で仕事の駆け引きは切り上げることだ。(p7)
と言うことです。
☆確かに接待されたこと何回かはあります。お互い自分の素を見せ合い、親近感がわいてきます。いわば子供の頃に、秘密を共有し合った友達のような感じになりますね。
(そういう意味では、社内においての飲み会は、「不機嫌な職場」のインフォーマル活動(ボーリング大会や飲み会)になるので、「職場内での接待」と言う考え方もできます。)

第一章「接待の会食」では
●食べているときはバカになる(p36)
●バカになるとはカッコつけたり、知ったかぶりをしないということだ。(p37)
☆「自分のお店だ」と妙に自慢したくなり、見栄を張ってしまう、気をつけなければ・・。

いざ接待の場に臨む際のアドバイスとして、落語の立川談志師匠の弟子への教えを取り上げ
●お辞儀が終わったら、しっかり正面を見据えろ。(中略)正面が切れない芸人にはなるな。
●「きちんとお辞儀をして、プロとして場に臨め」と言うことだ。(p42)
☆接客に置き換えると、おどおどしないで自信を持って接客する、心構えを持て!と言うことですね。こちらがびくびくしていては、お客様も不安ですから。

女性のいる場所での接待について、テリー伊藤さんからは
●「接待はSEXに似ている」(p48)
●しゃべることを磨くのは重要です。しかし加えていえば、聞き上手になること。野球でいえば名キャッチャーです。ボールをパーンといい音させて捕球すればピッチャーは自信がつく。
●聞き上手になるコツとして、「相手の話に対してドラマチックに反応すること」(p50)
●人間を一時間笑わせることは至難の業です。だから自分(相手)が話したことを他人(自分)がおもしろがってくれたら、それは(相手の)快感につながるのです。(p51)
☆「聞く技術」のひとつですね。最後の1文を理解するまで少し時間かかりましたが、納得しました。

接待のおみやげに関しては、接待の達人は、お土産を渡す際に一言、
●「これはね、君にあげるんじゃないの。奥さんと子どもさんにあげるの。だから、奥さんの許しをもらってから食べること」(p58)
☆接待された側の、何となく後ろめたい気持ちも、家族まで間接的に接待することで、より満足度があがると言うことを教えていただきました。

第二章 接待の「たしなみ」では
●歯・爪・髪の毛の手入れも接待のうち(p74)
その中で、著者が一流が通う理髪店に行くことのメリットとして
●一流の人は、サービス業の人間と交わす会話もしゃれている。
●サービス業での礼儀作法を学ぶには一流の人々が利用する理髪店を行きつけにするといい。(p87〜p88)
☆どんな場面でも、デキル人から実地に学ぶことが成長の近道なのですね。

そしてファッションの項で、参考になったのは
●ホテル。レストラン、航空会社といったサービス業で働いている方は、正式の服装とは何かを知っておいたほうがいい。(p97)

いざというときの、ビジネスマンの「勝負服」については、有名人も贔屓にする横浜の店のオーナーから
●他人に対しての意思表示でもあり、自分に対しての応援メッセージにもなる。私はビジネスマンは勝負服を持つべきと思います。
●ビジネスマンの身だしなみでもっとも重要なことがあります。それはいい服を着たら、マナーに気をつけること。
☆服に着られるのではなく、着こなす。お酒と一緒で飲まれる事ないよう、背筋をのばしてきちんとしよう。反省です。

第三章 接待のコミュニケーションスキルでは、「スピーチ」について
●スピーチする機会がめぐってきたら、まず大きな声であいさつする。
●冒頭は「自分の伝えたいこと」ではなく、「相手が聞きたいこと」を話す。
☆挨拶で自分を落ち着かせ、「相手が聞きたい事」で聞く体勢になってもらうことですね。

●聴衆の中から、(自分に好意的な反応を示す)ひとりを見つける(p135)

手紙・メールの項では
●「もらった側が何度も読み返したくなるような内容」を伝えるときに手紙を書く。
→具体的には、誕生日や子どもの結婚などのお祝いなどの時。
●逆に、手紙にしないほうがいいのが謝罪のケースである。(p142)
☆確かに残してうれしいものと、残ってたら具合の悪いものと言う明快な切り口です。

ビジネス文書の書き方のポイントとして
以下の4つをあげられています。
 1.相手を想定して書く
 2.書いて削る
 3.推敲する前に少し時間をおく
 4.文書には個性は入れない    (p146〜p150)
心を動かす手紙の三条件としては
 1.丁寧に書く
 2.手紙の見本をつくっておく
 3.文書は夢中になって書く    (p151〜p154)
特に手紙の三条件の(3)に関しては、
●文章のうまさより、文にこもった熱しか相手には届かない。(p154)
☆自分の感じたことをどうしても相手に知ってほしいと思ったら一所懸命夢中になって書きます。確かに。

まだまだ、「接待の達人」たちの、興味深いエピソードがあるのですが、自分なりに結論と思われたフレーズが、
●相手が気持ちよくなってもらうことが接待だとつねに忘れないこと。(p37)
☆「自分」が気持ちよく「なる」のではなく、「相手」に気持ちよくなって「もらう」と言う、「おもてなし」の原則を今回、学びました。

「接待」というテーマですが、「接客サービス」に従事されている方々に本書はおすすめです。きっといいヒントが自分の心の中に眠っていたことを発見されると思います。

●次に読みたくなった本
「ニューヨーク美術案内」
「理科系の作文技術」
[「知」のソフトウエア]
「知的生産の技術」


タグ:接客術
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コメント 2

すずらん♪

仕事の世界の「接待」については何も分かりません。
人とのお付き合いは「想像力」と「思いやり」が大切かなと思っています。でも、人間関係は難しいです。
by すずらん♪ (2009-02-12 23:50) 

yukio

>仕事の世界の「接待」については何も分かりません。
>人とのお付き合いは「想像力」と「思いやり」が大切かなと>思っています。でも、人間関係は難しいです。

コメントありがとうございます。
「思いやり」はよくわかります。「想像力」という言葉が出ることが、すずらんさんのすばらしい表現ですね!
新しい出会いがあればそれだけ人間関係が、複雑になってくるので、よけいに難しいのでしょうね。人と人とをつなぐ糸が増えればこんがらがってくる。あれを引っ張ったと思ったら違ったり、変に結んじゃったりと、ほんと人間関係は難しいですね。

by yukio (2009-02-13 00:53) 

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