SSブログ

73.「会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く 」を読んで [読書感想文]

(年間100冊の進捗 100冊/365日×267日目(9月24日)ー73冊目=▲0.156冊)
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)

会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)

  • 作者: 勝間和代
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/17
  • メディア: 新書





 民主党の鳩山さんが首相になり、少しは見通しが明るくなってきた?ようですが、まだまだこれからですね。
 相変わらず財布の紐は堅く、必要なものしかお客さんも買いません。
もうすぐ、サラリーマンっていう人種は「絶滅動物」になってしまうかも・・・
「うちの会社大丈夫なんだろうか?」と「自分は今後どうしよう?」を考えるために読みました。

インターネットとグローバル化で、世界中で変化が速く、大きくなってきたことで
・私たちの将来の変動幅が大きくなった理由は、「再帰性」という概念を使って説明する事が可能です。
・この影響の連鎖(再帰性)がぐるぐると動き始めると、その動きは時間とともに加速し、誰もが予想できないような状況にまで発展する事があります。しかも、この流れがインターネットを使ってグローバルに起きると、過去のように数年間かけてゆっくりと変化していたものが、ほんの数時間で一気に起きてしまうのです。(P10)
☆最近は日本の小さな出来事でも一気に世界中に広がり、思いもしなかった影響が帰ってきます。
昔は地球の反対側で起きた地震の影響で津波が来たぐらいだったものが(それでも、ある程度は時間がかかるものでしたが・・)。

・私が提案するリスク・リテラシーとは、
 1。身の回りにあるリスクを予測、計量すること
 2。そのリスクに見合ったリターンを得られるかどうかを判断し、当該リスクを取るか、取らないかを決定すること
 3。リスクを取る場合、リスクをどうモニターし、制御するのかを決めること
 という3段階を意味します。(P13ー14)

・これまで、日本の会社は単なる働き場にとどまらず、所属する社会であり、福利厚生であり、自分たちの階級や生涯賃金を決めてしまうところでした。私はこれを「会社一神教」「労働一神教」と名づけています。(P41)
☆会社にどんなに不満があっても、文句を言うばかりでやめられない。まあ神には文句を言えない分まだ会社はましなのかも・・・。

・日本に限らず、全世界において、社会で一番大事な資源は人です。そして、その人の力をいかに最大限に開発し、有効活用するかで競争力や社会の幸せ度が決まってきます。(P84)
☆しかし、そうは言っても、その人が簡単に整理の対象とされているのが現状の問題です。「企業は人なり」とは昔よく聞いたのですが。

・宝くじにおいてなぜ多くの人がリスクを許容するのかというと、3000円や5000円といったように最大損失が分かっているためです。
 これに対して、終身雇用制の枠から抜けて転職のリスクが取れないのはなぜかというと、取ったときに起こりうるリスクを計算できないか、計算すること自体が恐ろしいからです。(P92ー93)
☆その通りです。恐ろしいし、いろんな事が面倒臭いです。会社が全部やってくれているこの感じは、家で家事を母親がやってくれている感じに近いです。

リスクの本当の意味というのはあくまで、可能性のことであり、変動幅のことであり、そのリスクがもたらす可能性は、いいことも悪いことも含めて、上も下もあることをまず理解していただきたいと思います。リスクが高いとは、変動幅が大きいという意味であり、同時にその変動幅は必ずしも下方だけを指すわけではないのです。(p99)
・ここにトータルで100のリスクがあったとします。その100のリスクを1人で管理するとなると、その人は怖がってそれ以上のリスクを取れなくなります。そして、そのリスクを誰かに移転しようとします。そこで、さまざまな手法を使って(中略)最終的に1人で100を取ったリスクが100人に1ずつ分散されます。
・そして、1のリスクしか持っていない人はリスクが小さいためにリスク感度が低くなり、「この1を1.5に増やしてみようかな」、あるいは「1を2にしてみようかな」と考えるようになります。それを市場の参加者全員がやったらどうなるでしょうか。
 何百人もの人がそれを行った結果、気がついたら、全員のリスクが5万、10万と、大変な分量になっていたのです。つまり、リスクを分散したがゆえに逆にリスクを取りたいという動機が増した結果、リスクが増殖し、それを世界が集計しみたらとんでもない量のリスクを抱えていたという事態を招いたのです。(p154ー155)
☆サブプライムローンの問題点を簡単に説明していただいております。非常に簡潔で分かりやすいですね。本当はもっと複雑なのでしょうが、人の心理は単純ですね。欲はとどまらないのですね。

・私は、リスク教育の肝は、「将来に対する想像力」であると思っています。一つ一つのことについて、仮に自分がそれを実行した時、あるいはこれについてリスクヘッジしなかったらどうなるのだろうかと想像したとき、どれだけ将来を予見できるのかということです。(p204)
・リスクがあってもなかなか学習できないのも人間の性質のうちの一つですが、最後に頼れるのは自分しかいません。識字教育、リスク教育も含めた教育が何のためにあるのかというと、それはよりよく生きるためです。
 では、よりよく生きるために何が大事かというと、やはり自分が自分の力でリスクをコントロールできることを理解することだと思います。(p206)
・多くの人が終身雇用下の会社で働くのも選択の自由だと思っています。ただ、そうした状況の下にあったとしても、いざとなったら会社にモノを言えるし、外にも出ていけるだけの実力を兼ね備える、というリスク管理はこれからの時代に必須だと思います。(p206ー207)
・「リスク」と聞くと、怖いもの、避けなければいけないもの、なるべく遠ざけるもの、というイメージが強いと思います。しかし、リスクはどんなに遠ざけても、身の回りに常に偏在(かたよって存在する)します。そうであるなら、リスクを避けることなく、逆に仲良くつき合った方が、かえってコントロールしやすくなるのではないかと思います。(p215)

☆自分なりの答え:「自分でコントロールできる」、そしてイザというときには・・・今こうして本を読んでいて良かったと思います。ただ、だらだらとテレビを見て、おもしろおかしく暮らしていたら、こんな事はきっと想像もしてなかったと思います。
自分の会社に不満はあっても、「何とかなるわ。こんだけ働いてるねんから」とおごりの気持ちがありました。
でも、結局は会社に甘えていただけ。いざというときには会社の方が非情ですから。
これからは、「リスク」を過度に畏れず自分の行動について、将来を想像したいと思います。
ありがとうございます

読みたい本
・「リスク神々への反逆(上・下)」(ピーター・バーンスタイン 日経ビジネス人文庫。2001年」)
・「すべての経済はバブルに通じる」(小幡 績 光文社新書 2008年)

会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)

会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)

  • 作者: 勝間和代
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/03/17
  • メディア: 新書






お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

  • 作者: 勝間 和代
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/11/16
  • メディア: 新書






リスク〈上〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)

リスク〈上〉―神々への反逆 (日経ビジネス人文庫)


nice!(24)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 24

コメント 2

fogliolina

終身雇用の弊害ももちろんあるけれど、
最近の状況を見ていると、
ちょっと不満があるとすぐ辞めてしまう、
という甘えも目立ってきている気がする。
どちらにしても極端なのはよくないですよね。
by fogliolina (2009-09-24 09:52) 

にごろ

いまは会社に頼りきっていても、
会社は頼りきっていないですからね。
いろんな意味でリスクマネージメントは必要ですね。
by にごろ (2009-09-24 22:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
TweetsWind

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。