270-31 .武士の心で商売を。〜「出光佐三の日本人にかえれ」を読了 #感想部 [読書感想文]
出光 / sabamiso
(年間50冊の進捗 50冊/365日×357日目(12月23日)ー31冊目=▲17.90冊)#mhks(本)
・出光さんは単に経営者や事業者という視点にとどまらず、人類の平和や繁栄への貢献といった非常に高遠な理想をもたれた方です。
・本書によって読者の皆様が出光さんご自身の御著書に出会う手助けができれば幸甚です。
☆出光佐三さんといえば、「海賊と呼ばれた男」。今年の4月に作者、百田尚樹さんの講演をお伺いし、ご本人から主人公の生き様を熱く語っていただきました。興味はすごく湧いたものの何せあの分厚さ。自分の性格上読み出すと止まらないので今は我慢我慢。
この本で実際に出光さんが、どのような方だったのかを先に予習しておきたいと思い読んでみました。
ご本人は、どんな言葉を残されているのでしょうか?
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※文中、黒文字は北尾さんの文章。赤字は出光さんの文章です。
・(松下幸之助さんなど)ほかの方の著書では必ず出てくるいろいろな先哲の言葉や書物の引用が、出光さんの御著書にはほとんどなかったのです。出光さんはまさに自らの体験でこの広遠な思想哲学をつくられたのだと思います。(p80)
・目が悪いと言うことはそれだけ思索が深まるということです。出光さんは、働く中で様々な経験、体験をし、それを考えて考えて考え抜くという思索のプロセスを通して、あれだけ偉大な思想を残されたのだろうと思います。(p84)
☆本を読みたくても、読めない。でも、大事なのは学んだことを、自ら実践し、感じ、また自らの言葉で誰かに伝える。そうすることで、「学び」が自分のものになる。これまで多くの本に書かれたことです。実際、こうやって、ブログを書きながらでも、「あーでもない。こうでもない。」と考え続けることで、本の内容がより深く体に染み渡ります。
・僕は「日本人の世界的使命」ということを説いている。日本人が世界の混乱を救う民族であるということだ。(p205)
・お互いに助け助けられて仲良くするのが、日本民族である。これに対して、自分だけよければいいと主張して対立闘争するのが外国である。(p205)
☆確かに日本人は、お互い助け合っている。しかし、それは日本人同士のことが多いように感じる。外国人は確かに「個人主義」で「自分だけ・・」という人が多い、でも多くの民族同士が交流することで培った文化でもある。
日本人が世界の混乱を救うには、世界に出て行かなければならない。その時に今までの日本人同士の「暗黙の了解」は存在しない。
こちらから働きかけなければ、相手は答えてくれない。
世界がインターネットでつながり、情報が一瞬で共有できるようになったので、世界で日本人の「和の精神」が多くの人々に伝わりやすくはなっているが、実際に現地で実践して行くには、より深く相手を理解しないといけないのでは?
・武士階級は、純粋に「人の世界」であった。明治時代も、政治家や教育者、官吏と言った人たちは、「清貧に甘んじる」という言葉があったように、清貧を誇りとする、貧乏であることを買えって自慢していたということを耳にしていたものだ。(p221)
・物質の世界も認めて尊重しなければならない。清廉潔白、責任感を重んずる昔の武士が、金を尊重することを知っていたならば、理想的な実業家になっただろうと思う。これがいわゆる「士魂商才」だ。それを僕はやっている。(p222)
☆志をもって、商売をする。教養があり、剣の修行で磨いた健康な肉体がある。そこにそろばんが加われば・・・確かに今でも「できるビジネスパーソン」として通用するでしょう。しかし「清貧」生活が送れるかどうか・・。食べ物だけ見れば、清貧な生活の方がお金がかかりそうです。
・歴史を振り返っても、東西文化の融合をうまく成し遂げられるのは日本人しかいないのです。
我々は、出光さんが「日本人にかえれ」と唱えられたように、今こそ日本人のよさを再認識することから始めなければいけません。 (p226)
読み終えて:自分の祖父も戦争に行った経験があり、幼い頃はよくその話を聞きました。祖父の家に泊まると早起きして、近所を走り、ラジオ体操をして、最後は腹式呼吸という、軍隊の習慣をそのまま継続しており自分もいやいや付き合わされたことを思い出しました。
しかし、そんな方達が戦後の日本を作り上げた。
出光さんと祖父。自分の共通する印象は「骨太」。
多くの危険をくぐり抜け、生き続け、日本の発展に尽くした。
だからこそ、今の日本の「ぬるさ」を嘆き、「大きな目標」を掲げて見せてくれる。
「日本人にかえれ」
本当の日本人とはどうあるべきかを、1人1人が自ら考え見つけ出さなければならない。
骨の折れる作業である。しかし、それを見つけ出した人はきっと「骨太」な人間になっているのでしょうね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
献本御礼。「あさ出版」吉田伸さんからお贈り頂きました。いつもありがとうございます。
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