SSブログ

291-19. 【読書感想文】「仕組み」だけでなく、「理念」も必要、やっぱり。〜「全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書」#感想部 #rvpl [読書感想文]

a0960_001836.jpg
 
(年間50冊の進捗 50冊/365日×169日目(6月18日)ー19冊目=-4.15冊)#mhks(本) 

全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書

全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書

  • 作者: 森田 直行
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/05/29
  • メディア: 単行本
 
 
 
 
 

・アメーバ経営の最大の特徴は、会社組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団組織に分け、各アメーバのリーダーがまるで経営者のように小集団組織の経営を行うことです。(p4)

・アメーバ経営は人間本意の経営手法であり、目標を必ず達成するという厳しい面がある一方で、社員全員で物心両面での幸せの実現を目指すことができる、大家族のような温かさを備えています。給与体系も成果主義ではなく、年功序列に近い。ここが欧米流の成果主義との決定的な違いと言えます。(p5)

☆今までは、稲森和夫さんの本や講演などを通じて「人間としての正しい考え方」を学びました。

今回、この本で「アメーバ経営」とは何か?その強みは?を学びたいと思います。

 

自分の会社でも取り入れることは出来るのでしょうか?



いつも応援ありがございます!ポチッと↓


人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ blogram投票ボタン


 

アメーバ経営は、「社員全員が経営に関わること」を目指しています。経営に関わるとは、経営者だけでなく自分たちの収支を管理し、利益に対してしっかり責任を負うことを意味します。そのためには組織を採算管理できる最小の単位に分けて、その一つひとつにリーダーを置いて会社のように運営し、会社全体は小さな会社の集合体としていけばいいのではないか。これがアメーバ経営の発想の原点でした。

・アメーバが儲かっているかどうかが一目瞭然となるように、「時間当り付加価値」という指標も作られました。(p36)

・時間当り付加価値は、アメーバの採算を管理するのに非常に便利な指標です。要は、稼いだお金から使ったお金を引き、働いた時間で割ったものです。アメーバの人数が5人でも10人でも、アメーバの総時間で割るので、すべてのアメーバに取って共通の指標となります。(P22)

 

☆「時間当り」というのが、ミソなのですね。人件費でないのは「個人」の給料の金額がわからないようにという配慮から。短い労働時間で、高い成果をあげれば、付加価値はあがり、評価も高くなる。仕事の「効率」があがるということですね。小さな組織単位で、「利益貢献」できているかを、確かめられるから個人にも「やりがい」が出てくる。経営にとっても無駄な「資産配分」に早く気づくことができるんですね。


「あなたの会社では、誰が利益を生み出しているのですか?」(p17)

☆誰が利益を・・・、うちの会社ではやはり、商品を販売している人、ひとりひとりなのですが、売っているのは食べ物なので「利益」は大きくない。ある意味「人寄せ」的な役割なので、自分達だけでは店は成り立たないだろう。やはり利益の幅が大きい「衣料品」の人だろうな・・。


・京セラグループでは、この(何が正しいのか、何がフェアなのか)判断の基準を、物事の損得で判断するのではなく、善悪で判断すること、つまり「人として正しいか」という道徳観と倫理観に置いています。このことが「京セラフィロソフィ」としてまとめられ、教育によって全従業員に浸透させています。(p66、67)

☆この「京セラフィロソフィ」が、アメーバ経営にも欠かせないものなんですね。

「仕組み」だけではなく、それを運用する人間の考え方が、正しくないと、利益だけを追求する「利己的な企業」になってしまい、社会への貢献も低い会社になるのだろう。


・京セラフィロソフィの代表的な項目に、「人生の方程式」があります。これは「人生・仕事の結果」は「考え方×熱意×能力」という計算式で表されるという意味です。(P67)

・アメーバ経営では、経営者も含め、リーダーはどうあるべきかが問われます。業績がいいだけではリーダーとして不十分です。人として尊敬されているか、われわれの行動規範であるフィロソフィを理解し、実践しているかが問われます。(p75)


☆新入社員の教育から、このように「人生」に対する考え方を学ぶ事が出来るのはいいなぁ。現場に入るとどうしても「スキル」と「成果」をすぐに求められがちなので…。

 

 言い方で「道徳観」も、「コンプライアンス」と呼ばれると、何か「無機質」なものに感じられ、日本人の心情にはフィットしないようにも思います。


○JAL再建

・会長の大西賢はアメーバを「収支管理を徹底させるための仕組み」と見ていたが、導入してみてその威力に驚いた。

 「キミたち実は勝っていたよ、と2ヶ月後に試合結果を教えられても、ちっとも燃えない。3万人の団体戦では自分が貢献できたかどうかもわからない。しかし10人のチームで毎月、勝敗がわかると、『やったあ』『残念だった』と社員が一喜一憂する。かつてJALは泣きも笑いもしない組織だったが、アメーバ経営で生きている会社になった」(p116)

☆なるほど!短い期間かつ、小さな組織単位で「成果」を示す。

 プロ野球などの、長いリーグ戦で、結局「優勝」するのは毎試合コツコツ勝利を重ねるチームということ!自分達の仕事も四半期決算の大きな売り場の「長期戦」よりも、「短期勝負」の催事の方が結果がすぐに見えて面白いと感じます。


・アメーバ経営では、成果主義的な考え方を否定しています。全員参加により、みんなで協力して給料を稼いで、物心両面の幸せを目指す、そして世の中にも貢献していこうというのが基本方針です。成果主義は脱落者を多数生み出すので、経営に全員参加するアメーバ経営とは相いれないものなのです。


 アメーバ経営でも、優秀な人はしっかり評価します。しかし、その評価の仕方がまったく違う。企業に本当に必要なのは、長期にわたって成果をあげられる人物です。ですので、毎年、少しずつ評価を積み重ね、ある程度のポイントに来たら、次のステップに昇格していく人事評価の仕組みを私たちは推奨しています。これを実力主義の人事制度と呼んでいます。(p200-201)

☆確かに、一時的に「成果」をあげても、継続できないと「企業」としては続かない。人も急には「成長」しない。積み重ねた努力が、ある日「大きく」花開く日はあるが、それはあくまで「努力の結果」。その人は今後もコンスタントに「結果」を出すことができるだろうが、「偶然」成果を手にした人は、「棚ぼた」を求めてとんちんかんな「努力」をしてしまう。

 本人にとっても、企業にとってもこれは「不幸」なんですね。


中、長期的で安定した理想の経営を行うためには、「理念の浸透」と「経営の仕組み」こそが大切である(p220)

a0960_001261.jpg

☆読み終えて:アメーバ経営という「仕組み」は、フィロソフィという「理念」があってこそ、うまく機能する。やっぱり、人の心の部分が大事なのだと感じました。JALでも、病院でも「アメーバ経営」を取り入れた企業では、最終的に「人と人とのコミュニケーション」が増えたと感じているようでした。人の「能力」と「やる気」をうまく引き出す事こそが「アメーバ経営」の要なんですね。


 また、小さな単位の「リーダー」を多くつくり出し、成長を促すことで、次世代の幹部を産み出し、企業の持続的成長を維持できる。



 かつての日本企業的な「経営手法」にも思えますが、逆に「IT」の発達した今だから、短い時間で「収支管理」でき、どこにいても全員で「共有」できる。これこそが、「IT」本来の使い方なのかもしれませんね。


 手紙やファックスをメールで済まし、見栄えの良い書類をつくったり、電卓の変わりに少し計算が速くなったりすること。これも確かに「時間当り」の採算が上がるかもしれないが、「人と人」との直接コミュニケーションをもっと増やすことに、もっとシフトすべきなんでしょう。



・「あなたの会社では、誰が利益を生み出しているのですか?」(p17)


☆誰が、どうやって、どのくらいの時間で、利益を産み出しているのか。それをはっきり、一人一人にはっきりと指し示すのが「アメーバ経営」。まずは、己を知ることからなんですね。


☆自分は自分の「時給」分、働けているのか・・・。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

献本御礼。レビュープラスさんからご恵投頂きました。いつもありがとうございます。


いつも応援ありがございます!ポチッと↓


人気ブログランキングへ にほんブログ村 本ブログ ビジネス書へ blogram投票ボタン


全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書

全員で稼ぐ組織 JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書

  • 作者: 森田 直行
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2014/05/29
  • メディア: 単行本
京セラフィロソフィ

京セラフィロソフィ

  • 作者: 稲盛和夫
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2014/06/04
  • メディア: 単行本

 



nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 6

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
TweetsWind

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。