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297-25. 【読書感想文】あなたの生きた証は?〜「蔦屋」#感想部 [読書感想文]


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(年間50冊の進捗 50冊/365日×221日目(8月9日)ー25冊目=-5.27冊)#mhks(本) 
 

蔦屋

蔦屋

  • 作者: 谷津矢車
  • 出版社/メーカー: 学研マーケティング
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 単行本

 

・てめえで納得がいかないからこそ頑張れた。てめえにとって譲れないところだから、誰の意見にも耳を貸さなかった。ただ、てめえのために作った。そしてそれが世間に受け入れられて、地本における一つの定石となった。だが、世間に受け入れられるかどうかなんて興味なかった。ただ若き日の小兵衛にあったのは、「てめえが気にくわない」という自儘(わがまま)な思いだった。

 ああ。 そうか、俺ァ、この儘ならねえ世の中で、てめえの我を通したかったのか。(p14ー15)



☆読書ブロガーの間で話題の1冊です。

 東京池袋の「天狼院書店」さんで、「秘本」として売り出されたのがきっかけです。

《通販可》【天狼院秘本】タイトル・著者名、教えません。返品できません。本当は独り占めしたい本、密かに拡販開始しました。 - 天狼院書店



 描かれているのは江戸時代のお話ですが、現代の出版業界が抱える問題も数多くある気がします。もちろん、他の業界にも当てはまることも多いです。 
 
 江戸時代の商売人の心得とは? 
 


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・「善は急げ、っていう格言を知らないんですか?商売の基本は『神速を尊ぶ』です」(p17)

☆ああ、今も昔も「スピード経営」ってあったんですね。


・「新しいものっていうのは、往々にして頭の固い人から見ればヘンテコで洗練されていないものだ。もちろん、そういうものを先物買いしてくれるお客さんってェのはいるにはいるけども、それじゃあ大売れとはいかない。十歩先に行ったものじゃあ新しすぎる。かといって、一歩二歩さきくらいじゃあ誰も驚かない。いうなれば、五歩先くらい先を走るものを作りたいもんだね」

 五歩先。 その間合いが難しい。五歩先、なんていうのは、狙って出せるモノではない。(p155)

☆商人は、自分では「商品」を作らない。職人、客、世間、それぞれの背中を押し、新しい流れを作り出すこと。それこそが「商人」としての「満足感」なのかもしれません。 プロデューサー業なのかもしれません。


読み終えて:最後のほうに、あの有名浮世絵師がデビューする場面があるのですが、本作のメインではありません。あくまでも「ヒット商品」をつくり出そうとする、現代で言う「編集者」さん?の物語。

 さらに幕府の「倹約」という名の「弾圧」と、「表現の自由」という人間の「欲求」とのせめぎ合いも加わり、ますます物語は複雑に面白く、そして悲しくなっていきます・・・。



 人間というのは、何か自分の生きた証を「残したい」生き物だと言うことが、強く悲しく描かれていると感じました。

このブログも自分の生きた証のひとつですね。

 本日も最後までお読み頂きありがとうございました。 


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  • 作者: 谷津矢車
  • 出版社/メーカー: 学研マーケティング
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 単行本


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